珈琲にまつわる世界のおはなし
【JAPAN】
江戸時代は珈琲の飲める場所が限られていたこともあって、伝え聞いた人々は興味津々で試したものの、その苦さには馴染めずにいたようです。一部では薬用として用いられ、非常に高価だったとの記録が残っています。
鎖国が解かれて文明開化の波に乗った鹿鳴館時代には身分や職業に関係なく多くの人々の手に届く飲み物になっていきます。モボやモガのたまり場がミルクホール、つまり今日のカフェのはしりです。
【AFRICA】
コーヒーの実を食べて興奮している山羊に気付いた飼い主が、試しに自分でも食べてみたら精気がみなぎってきたンですね。
そこで村人にすすめてみたら、彼等が長年悩んでいた睡魔から救われたそうです。
コーヒーを飲むと寝つけない、なんて話の根拠みたいな出来過ぎたおはなし。コーヒー発祥の地とされるエチオピアには今も野生のコーヒーが自生しています。
【CARIBBEAN SEA】
西インド諸島に駐在していたフランス海軍のド・クリューは、ここにコーヒーの苗木を持ち込みたいと考え、大変な苦労の末にようやく数本の苗木を手に入れました。この苗木を運ぶに際して一番困難だったのが苗木に与える水の不足だったようで、2ケ月の航海中は自分の飲み水を制限してまで大切に守ったのです。
彼のコーヒーへの情熱はやがて島に根を張って、かの銘品ブルーマウンテンとして結実したのです。
【ARABIA】
ある日のこと、美味しそうに実をついばんでいる小鳥を見つけた青年が同じ実を食べたところ驚くほどの活力が涌くのを感じました。そこで、それを煮出した汁を飲ませてみたら、病気だった人々を大勢救うことができて大いに感謝されたとのこと。コーヒーは、アフリカから紅海をはさんだ対岸に当たるアラビアに伝わり、そこで初めて栽培されたとされています。これが今日の「アラビカ種」の起源になりました。
【GERMANY】
かのベートーベンは、音楽以外では誠に不器用であったと語り次がれています。ただしコーヒーだけは、不器用なりに自分の手で入れて楽しむほど無類のコーヒー好きだったと伝えられています。豆はキッチリと60粒数えてから自らミルで挽いて朝食で楽しんでいたそうです。
味わいを利き分ける能力と美味しさを追求する姿勢が、天才の一面を飾る話ではないでしょうか。
【U.S.A.】
『こちらアポロ13号、緊急事態発生』。このセリフが幕開けでした。1970年4月14日、月に向かう途中で液体酸素タンクに突然亀裂が生じるという致命的事態が発生したのです。1分1秒でもエネルギーを保って帰還するため、船内温度を生命維持に必要な最低レベルまで落として電力を節約したのです。乗務員達が奮闘する中、基地からも沢山の激励メッセージがアポロに送られました。
その中には、「こちらヒューストン、頑張れ諸君!、君たちは今、熱いコーヒーへの道を歩んでいるのだ…」というものもあったそうです。未曾有の危機に瀕した場面にもコーヒーが登場したのでした。
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